<ミャンマー>タイへ移民200万、少数民族大半 自国政治に冷めた目
毎日新聞 12月24日(金)8時17分配信
◇スーチーさんへの期待さまざま
タイ国内で200万人以上ともいわれるミャンマー人の移民労働者が働いている。軍事政権の圧政下、経済の混乱や、国軍との戦闘から逃れてきた少数民族が大半だ。民主化運動指導者アウンサンスーチーさんが解放され、民主化への希望も高まっているが、労働者の多くは、日々の生活に追われ、自国の政治に冷めた見方が多い。【サムットサコーン県(タイ中央部)で矢野純一、写真も】
◇「何も変わらない」
バンコク中心部から南西に車で約1時間。タイ湾に面するサムットサコーン県には、約8000軒の水産加工場が建ち並ぶ。従業員の多くは、ミャンマーから逃れてきた少数民族だ。
「スーチーさんは好きだが、彼女が仕事をくれるわけでもない」。水揚げされた魚をトラックに積んでいたオンさん(30)は、タイで生涯を暮らすことに決めている。タイと国境を接する地域で暮らす少数民族モン族出身。政府軍との戦闘のたび、集落を追われる生活に嫌気が差し、10年前にタイへ密入国した。
バンコクなどタイ各地の建設現場などを転々とし、5年前から、モン族が多く住む同県に落ち着いた。日給は300バーツ(約840円)と、タイ人の平均収入の半分以下。それでも、「3度の食事が取れる。故郷の暮らしよりずっとまし」。密入国以来、一度も顔を合わせていない両親には、年に約1万5000バーツ(約4万2000円)を送金している。
「スーチーさんには興味がない」。夜勤明けで自宅で休んでいたトゥモーさん(26)は即答した。親戚を頼り7年前、逃れてきた。エビ加工場で働くが、水揚げによって月収は左右され、2000バーツ(約5600円)しか稼げない月もある。両親への送金も滞りがちだ。
自国の政治には興味があるが、「総選挙は不正だらけで、結果は認めるわけにはいかない。とはいえ、これまで、彼女(スーチーさん)がいても、何も変わらなかった」。
◇「彼女が解決する」
一方、スーチーさんの熱烈な支持者もいる。「スーチーさんだけが人権や少数民族の差別問題を解決してくれる」。アジャヌアさん(31)は、ここで暮らす子供たちにモン語を教えている。
自治を求めるモン族への軍事政権の攻撃のたび、家族でジャングルを転々とした。大学への進学が夢だったが、軍事政権と対立する少数民族の出身者には門戸は閉ざされている。「ミャンマーに残っても将来がない」と、18歳でバンコクで不法就労する叔父を頼り、国を去った。数年間は、食事と住居だけをあてがわれ、無給で建設中のビルにガラスを取り付ける仕事を続けた。4年前にこの地域で移民を支援する財団のメンバーとなった。
政治家の父は国に残り、反軍政を貫いている。夢は、父の後を継いで政治家になり、民族の自治を確立すること。「少数民族の権利を尊重すると話すスーチーさんが、国を動かせば、必ず良くなる」と信じる。
外国からの移民労働者を支援する労働権利促進財団によると、サムットサコーン県には約40万人の外国人労働者がおり、うち30万人が不法就労者だ。全体の7割がミャンマー出身で、モン族の割合が高いという。
移民労働者が働く水産加工場は、どれも小規模で従業員は100人未満だ。そのため、賃金も低く、差別的な状況が生まれている。祖国よりは生活が安定しているうえ、不法に働く労働者も多く、声を上げることができない状況だ。
日本などに輸出するエビの皮むきなどの単純作業で、処理した重さで給与が支払われる。両親と一緒に働く児童の労働も問題になっている。同財団マネジャー、パティマさんは「ここの労働者は経済的な理由で、国を逃げてきた人だ。皆、軍政は嫌いと答えるが、日々の暮らしに追われ、政治どころではない」と話した。
Where there's political will, there is a way
政治的な意思がある一方、方法がある
စစ္မွန္တဲ့ခိုင္မာတဲ့နိုင္ငံေရးခံယူခ်က္ရိွရင္ႀကိဳးစားမႈရိွရင္ နိုင္ငံေရးအေျဖ
ထြက္ရပ္လမ္းဟာေသခ်ာေပါက္ရိွတယ္
Burmese Translation-Phone Hlaing-fwubc
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Monday, December 27, 2010
<ミャンマー>タイへ移民200万、少数民族大半 自国政治に冷めた目
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